
ひもじい
寒い
もお死にたい
不幸はこの順番できますのや
出典:はるき悦巳「じゃりン子チエ」
竹本菊の言葉
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ギャンブル狂の父親テツはその日も博打をしていた。
しかしその賭場は警察に目をつけられており、周りは既に囲まれている。
テツの友人の警察官からその情報を得た主人公チエは、家庭を壊さないためテツを救出しようとする。
不良親父を持ち、小学生でありながら働き一家を支え、なぜ自分はこんなに不幸なのかと嘆くチエ。
そんなチエに祖母、菊が屋台でラーメンを食べようと誘う。
チエはそんなことをしている場合じゃないと言うが、それを制し、
「長いこと生きてますとな、ほんまに死にたいちゅうことが何回かありますのや」
「そおゆう時、メシも食べんともの考えるとロクなこと想像しまへんのや」
不幸は不幸を呼び、最後に行き着いてしまうのは死だ。
死にたくなければ今は食べろ。
貧しい時代にドラ息子を育てた菊の言葉には人生が凝縮されている。