
出典:太田モアレ『鉄風』
ずっと努力してきた人たちを簡単に追い抜いてしまうことは、彼女に退屈と寂しさを味わわせていた。
そんな夏央がある日「総合格闘技」をしている馬渡ゆず子と出会う。
ゆず子の格闘技に対するまっすぐな姿勢にイラつきを覚える夏央。
自分には得られない「充実感」を感じている人間を許せない。
友人をして「まっすぐに性格悪い」と言わしめる歪んだ性格。
自分も格闘技を習い、いつも通りに強くなるが、それでもゆず子には遠く及ばないことを知る。
そこで表題の台詞です。
普通なら悔しく思うような場面ですが、努力をしなければいけない、頑張っても届かないかもしれない。
それこそが自分の求めていたものなんだ!と、とてもいい笑顔を見せるのです。